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鬼が来た

小学校の低学年の頃の話。
休みの日にクラスメートの斎藤くんの家へ遊びに行った。
他にも同じクラスの友だちが2,3人呼ばれていたと思う。
たしか通学に使っていた丸の内線の駅から近いマンションで、どこの駅だか忘れたが、行くのは初めてだった。

全員がそろって遊びはじめると、お菓子やジュースを出してくれた斎藤くんのお母さんも用事で出かけてしまい、子供等だけで留守番することになった。

ボードゲームやったり、集めた消しゴム人形やシールを見せ合いっこしたり、みんなで遊べるレゴみたいなおもちゃで遊ばせてもらったり、
ふだん一人で遊ぶときは、おもちゃを出してきて並べて満足したら片付けるみたいな確認作業になりがちなんだけど、
それに比べて、兄弟がいる家の子は仕切り上手で、ちゃんと全員が楽しめるような遊び方をするから良かった。

皆わりと遠くから学校に通っていたせいで、地元の公立に通っている子に比べると、放課後に遊べる時間は短かったし、互いの家に集まって遊ぶ機会も少なかった。
だから、学校の休み時間と同じように遠慮なくドタバタはしゃいでいた。
大人数でいると皆どんどん調子にのるから、のぼせ上って奇声を発したり、ふざけて取っ組み合ったり、さぞかし騒がしかったことだろう。

突然ピンポンが鳴った。つづいてドアを叩く音。
斎藤くんとその弟は母親が帰ってきたと思ってガチャリと鍵をあけた。
ドアの前でわやわやわやと、何やら騒がしくしている。
他の子たちも異変に気づいて、きょとんとした顔でドアの前に立ちすくむ斉藤くんの方を見つめていた。

ここからの記憶は断片的で、実際どんなやりとりがあったか不明だが、覚えているのは、

玄関をふさぐように腰掛けて凄んでいる中年の女、
みんな正座させられて、延々罵声を浴びせ続けられた。
今まで接してきた大人の喋り方とあまりに異なっていたので、 
意味不明だったけど、ずっと似たようなフレーズが繰り返され、話が堂々巡りしている感じに気が遠くなった。
とって食われそうなくらい凄まじい剣幕に、まるで昔話に出てくる鬼婆のようだと思った。

タイミングを見計らって母親に電話で助けをもとめたが、
「どうしよう?どうしよう?」
と大泣きしながら、まったく要領をえない感じだったらしい。
その後、斉藤くんの母親から電話がかかってきて
「大丈夫でしたので、ご心配なく。」とのことだった。

どのように決着したかは分からないが、
帰宅した斉藤くんのお母さんが冷静に対応してお引取り頂いたのだろうな。
とにかく、この一件からマンションで騒いでしかられるのはもうこりごりだと思った。

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